この現代に最も求められているものが「この本に全部詰まっていた」と感じられた1冊でした。優しくあること、人との繋がり、勇気を持つこと、人との信頼、自分にできることを循環させていくこと・・・。世の中が便利になる反面、少しずつ薄れてしまっている「本当に大切なこと」を、この本の40年は私たちに伝えてくれている気がするんです。
いつでも誰とでも繋がることのできる現代はとても便利で恩恵もたくさん受けているけれど、一方で人の中にある「寂しさ」や「認められたい」気持ちはなくなるどころか大きくなっているようにも思います。それはきっと、繋がりやすいからこそ必要以上に「何者かにならなければ」と無意識に感じているからかもしれません。だけど、本来は何者にならなくても自分が無理なくできることを、届く範囲の他人にしてあげられることで充分なはずです。
登場人物の誰もが、自分にできること(好きなこと、得意なこと)で他者の力や喜びになることができていて、「あのことなら○○さん」みたいなつながりもあって。背伸びをしない自分でいることで充分喜んでもらえるという経験が、今の私たちはできているだろうかと考えるきっかけとなりました。
「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分は生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、はじめから何でも持ってる人が持っている自由からしたら制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分に道みたいなものを示してくれたし、幸せなことだと思います」
— 「水車小屋のネネ」より
そして、読み終えた後感じたのは「やっぱり優しくありたい」ということです。相手に踏み入ったり押し付けるような優しさではなく「距離感のある優しさ」が表現されていて、こんな風に在りたいなと何度も気付かされました。優しさは時に弱さになることも悪用されることもあるかもしれないけれど、それでも私は優しさを強さとして持ち合わせていたい。それを登場人物たちは教えてくれました。優しいって実はめちゃくちゃ強いのでは・・・?!
題名から「ネネの話なのかな?」って読み進めていたましたが、最後まで読んだらきっとすべてがつながります。ネネはずっとただそこに居てくれて、人と人を繋いで癒しとなっていたんですね。あぁ、私もネネに会いたい。
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